マタニティーブルーと産後うつ、対処方法を考える。〜中編・各論〜

育児

今回引用・参照させてもらったのは、うつ病学会によるガイドラインと精神科外来における非薬物療法的位置付けと期待という論文(Jpn J Gen Hosp Psychiatry Vol. 25 No. 3(2013))です。軽症うつの治療に対して、また、外来治療に関して、以下のような記載があります。

  • 患者背景、病態の理解に努め、支持的精神療法と心理教育を行う。さらなるアプローチが必要な際は、薬物療法か認知行動療法(CBT:congnitive behavior therapy)を用いる。
  • できるだけ心理的休養のとれる体勢をとらせ、平素の仕事場から離れる、休養できないならできるだけ業務量を減らす。

要するに、なぜ辛いのか理解し、その辛さを共感してもらい、思考が変な方向に固定されてきているならこれを修正し、なるべく休む。以上です。言ってしまえば簡単ですが、そうは問屋は卸しません。

理想は配偶者が、上記をしてくれれば最高ですが、そうはいかない人も多いと思います。実際私もほぼワンオペで、一日中誰とも話さなかった日もあります。もしもこれを読んでいる旦那さんがいたら、少しでもママの言っていることを共感しながら話しを聞いてあげてください。そして、少しでも休めるようにできる家事・育児をしてください。その際に、してやってる感は出さないでください。「どこの家でも普通に育児やってるじゃん、甘えじゃね?」なんて言った日には、一生修復不能な溝を作ったと心得てください。「俺が赤ちゃんあやすと泣ちゃうんだよね」という方、何故、ママが抱っこすると赤ちゃんが泣き止むかわかりますか?ママが赤ちゃんと一緒に過ごしてきた時間が長く、赤ちゃんの不快に思う事を一つ一つ解決してきたからです。自分がなんとかしなければならないから、なんとかしてきたのです。ここで諦めたら、育児スキルの差は開く一方で、赤ちゃんからの信頼もママからの信頼も減っていく一方です。そして、力になってあげられないのなら、仕事を外注できるように、お金を出してください!それができないならグダグダ言うな!(すいません、ちょっと感情的に。。。)色々言いましたが対処法を考察したいと思います。

①なぜ辛いのか理解する

人によって何が辛いのかが違うと思うので自分の置かれている状況で、これが無かったら、もしくは有れば楽になるのにというものを探しましょう。睡眠時間が少ないなどは共通だと思いますが、例えば10分でいいので一人の時間が欲しいのか、散らかっている部屋が嫌なのか、もしくは泣いている赤ちゃんと向き合うのが辛いのか。。。具体的に何が辛いのかがわかれば、対処がしやすいのです。ちなみに我が家は夫の育児スキルは全く上がらず、当事者意識も低いままで、どうしたらいいか悩みましたが、彼の得意な家事面をお願いした事、夫の休日の日にオムツ・ミルクの間の時間で一人で出かける時間を作った事でだいぶストレスは解消されました。その際、他部署の後輩に仕事をお願いするくらいのスタンスになってしまいましたが、そう割り切ってしまえば悩んでいるより快適になりました(涙)。

②その辛さを共感してもらう

これは協力を仰ぐ際に、相談する際に話を聞いてもらう事で共感してもらいましょう。配偶者、親、友人、ママ友などと話す事で気が楽になる部分も多いと思われます。変な話、ベビーシッターさんをお願いした時に、シッターさんとしての仕事よりもシッターさんと話すっことでだいぶ気持ちが整理できた気がします。育児に関しては辛さを共有するだけでなく、嬉しいことを誰かと共有できるのも大きな励みになるのではないかと思います。

③思考が変な方向に固定されてきているならこれを修正する

これは一人では難しく、夫は当事者であり難しいと思います。なので助産師さんなど専門的知識を持った人との関わりの中で修正するしかありません。後述する産後ケアハウスや新生児訪問、助産師診察などを利用するのがいいと思います。重ね重ね言いますが、これを読んでいるママ、頑張りすぎです。赤ちゃんが生きているだけで合格ですよ!と声を大にして言いたいです。これ以上頑張らないで、頑張らない事を頑張ってください。

④なるべく休む

何でもいいので人に助けを求め自分の仕事量を減らしましょう。夫、親、シッターさん、その他猫の手でも借りて、自分自身が肩の力を抜いて深呼吸できる時間を作りましょう。うたた寝でもいいので睡眠時間を増やしましょう。気をつけたいのは、親との関係が今一つだった方は、「自分は親にケアされ無かったから、親には頼れない」とネガティブになり、受けられるサポートが減ってしまう傾向にあるようです。私も母に数日来て貰いましたが、頼りずらく甘えられず、かえって私が母の世話をしているような状態になってしまい辛かったです。新生児期の1ヶ月間と割り切って、ご両親に甘えてしまいましょう。また、ベビーシッターさんをお願いしたり(新生児期のシッターさんは高くて少ないので家事代行でもOK)、食事の宅配サービスを頼んだり、冷凍食品をフル活用したり、徹底的に手を抜きましょう!ちなみに私は食卓便という配食サービスを利用し、冷凍庫はコストコだらけになりました。スーパーの配達サービスなども侮り難いです。

色々ごちゃごちゃ言いましたが、以上を一気に解決出来るのが、助産院などの産後ケアハウスです。私も産後3週間目あたりで限界を迎え、赤ちゃんを目の前に動けなくなってしまい、涙がただただ溢れてきました。これはいけないと思い、産後支援をインターネットであさり、役所に電話して産後ケアハウスの利用にこぎつけました。相談に乗ってくれた役所の方はただ事では無さそうと察し、今日今から利用できるように手配してくれようとしてくださいました。実際に利用したのは数日後で2泊でしたが、これには本当に救われました。何故産後ケアハウスが素晴らしいのか、だいぶ長くなったので、次回にしたいと思います。

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