やりたいこと、言いたいことが山積みになっているのに、育児でどうにもならない毎日を重ねていますが、それに耐えられるのも、ひとえに赤ちゃんが可愛いに尽きると思います。社畜から妊婦、そして母へとクラスチェンジしてきたわけですが、我が家は安定の(?)ワンオペ状態です。パートナーは安給で壮絶ブラック勤めなので、毎日毎日、シンデレラの魔法が解けてタダのおっさんに成り下がって帰ってきます。
今回いいたいことはいっぱいあるのですが、赤ちゃんのお世話でうつになりかけているお母さんへの向けてのメッセージをまずは簡潔に挙げます。特に新生児のお母さん向けです。
- 1ヶ月過ぎると楽になるから!(これ以上頑張らないで!)。
- 頼れるものはなんでも頼って!
- 理由もなく涙がでるなら、役所に電話して公共サービス(産後ケアサービス)を使用して!
- 赤ちゃんが今生きているだけで、あなたは十分に頑張ってます!合格です!
以上です。続きの文を読むのは気力があるときに読んでください。そうじゃないなら、少しでも寝てください。眠れなくても横になって目を閉じるだけでもしてください。SNSは見ないで、特にインスタは見ない方がいいです(役に立つ情報もあるけど、気持ちが余裕がない時には見ない方がいいです)。
さて、マタニティブルーと産後うつ、何が違うかというと、マタニティーブルーは一過性で治るもの、産後うつはその名の通り、鬱になってしまっている状態です。
マタニティーブルーは一般的に程度の差があれ、かなり多くの妊婦・産後になるといわれており、主な症状は
- 気分の落ち込み、不安感
- 急に泣き出す、涙が出る。怒りやすくなる。イライラする。
- 食欲が出ない。
- 眠れない、逆に過眠状態になる。
などがあります。見直すとかなり思い当たります。その原因としては、急激なホルモンバランスの変化が言われていますが、そうじゃないという説もあります。今となっては、睡眠不足・栄養不足(母乳でとられる)に加え、社会的に孤立し(新生児育児中は全く外に出れなかった!しかもワンオペ)、経済的にも困窮し(産休・育休手当が少なく、かつ、全くシームレスでないので、貯金を切り崩して生活している)、こんな状況でうつにならないわけないじゃんね(怒)と思います。ともかく、原因はどうであれ、多くの妊婦さんがうつ状態になり、一部は本格的に鬱になってしまうのは間違いないと思います。私もしっかりブルーになり、赤ちゃんが4ヶ月になる現在は概ね元気になってきた次第ですが、ブルー真っ最中だった自分がしたこと、すればよかったこと、また、今回のブルー期間を経て思ったことを、一般的なうつ病の治療法に照らし合わせて考察したいと思います。ただし、うつ状態の対処法であり、重症のうつになっている方や、うつ病の既往があり再発しているなと思う方は速やかに病院に行きましょう。決してそれは恥ではありません。あなたとあなたの大事な赤ちゃんを守る素晴らしい選択です。
今回引用・参照させてもらったのは、うつ病学会によるガイドラインと精神科外来における非薬物療法的位置付けと期待という論文(Jpn J Gen Hosp Psychiatry Vol. 25 No. 3(2013))です。軽症うつの治療に対して、また、外来治療に関して、以下のような記載があります。
- 患者背景、病態の理解に努め、支持的精神療法と心理教育を行う。さらなるアプローチが必要な際は、薬物療法か認知行動療法(CBT:congnitive behavior therapy)を用いる。
- できるだけ心理的休養のとれる体勢をとらせ、平素の仕事場から離れる、休養できないならできるだけ業務量を減らす。
なにやら難しいことを言っておりますが、そうでもないです。医療者からのアプローチとしては、患者をなるべく休ませる。休めないなら少しでも減らす。なぜ辛いのかをお互いに理解し、それに対して共感する。患者の認知のズレを修正する。こんなところでしょうか。
認知のズレとは何かというと、例えば産後によくある思考としては、「こんなに赤ちゃんが泣くのは私が駄目な母親だからだ。」とか、「赤ちゃんが可愛く思えないなんて母親失格だ。」とかが当てはまると思います。これは認知のズレがあると言っていいと思います。
冷静に考えてください。言葉を用いてコミュニケーションがとりあえる大人同士でも理解し合えないのです。母親になったばかりの新米ママがすぐに赤ちゃんの気持ちなど分かるはずないのです。少しづつ理解できればいいのです。産後のダメージを受け切った体に、毎日ほぼ寝ていない状態で、心身ともにズタボロの状態でその原因となっている赤ちゃんを100%可愛いと許せるはずがありません。あなたは人間なのですから。なので、今、赤ちゃんが生きているだけであなたは駄目なママじゃ無いですよ。十分合格です、安心してください。むしろ、一生懸命頑張っているからマタニティーブルーに陥っているのです。あなたは十分いいママなんですよ。
ちょっと長くなってきたので、具体的な対処法は後編にしようと思います。頑張りすぎず、休める時に休んでくださいね。
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